転職のすゝめ
突然ですが、あなたは今の仕事に満足していますか。幸せですか。やりがいを感じていますか。
このブログを御覧いただいているということは、少なからず今の仕事に疑念や違和感を覚えているはずです。
それならば、転職をすること(この記事では”違う学校に勤務すること”も含みます)も視野に入れてはいかがでしょうか。
今回は、全ての先生は1回は転職すべきというお話です。
今や転職が普通の時代に
厚生労働省の発表によると、平成28年3月新規大卒就職者の32%が、就職後3年以内に離職しています。 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00002.html
私の周りでも、1回は転職を経験しているという人がかなり多くいます。みなさんの周りでもよく耳にしませんか。
社会は常に変化し続けます。子どもたちもどんどん変化していきます。これが自然です。
あなたがもし現在の職場でやりがいや幸せを感じることができないのであれば、職場も変化させてみてはいかがでしょうか。
転職のメリット
転職することで得られるメリットには以下の3つが挙げられます。1つずつ解説していきます。
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納得して働くことができる
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新たな発見や気づきがある
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価値観が広がり、スキルの幅も増える
1.納得して働くことができる
職場に違和感を覚えるポイントは人それぞれだと思います。生徒の悩みであったり、同僚や組織、職場自体が問題だと考えるかもしれません。
ところが、こうして他者にその原因を置いてしまうと、次第に愚痴が増えてきます。愚痴は生産性が無く、あなたの希望も無くしていきます。酒の量が増え、内側からも外側からも破滅に向かっていきます。
こうなってしまうのは、不満の原因を自分の影響外(手の届かないところ)に置いてしまっているからです。こうなると「自分ではもうどうしようもない」という結論に至り、不満が次第にストレスへと変化していってしまいます。
しかし、転職は自らアクションを起こす行為です。したがって、なにか問題が起きたとしても、「これは自分で選択しているんだ」と思うことができて、納得して働くことができます。
2.新たな発見や気づきがある
職場に1つ違和感を覚え始めると、全てが気になるようになります。職員への連絡系統だとか、職場のピラミット構造、管理職が出す方針などなど。
転職をすることで自分の職場を客観的に見ることができるようになります。
もちろん、転職先がもっと良い職場かもしれませんし、「やっぱりどこもこんなもんか」と思うかもしれません。
しかしそれは転職をしないと到達できなかった境地のはずです。
ずっと同じ場所で仕事をしていると、新たな発見や気づきが次第に無くなってきます。
仕事もどんどんとルーティンワークを日々こなすだけになっていきます。
こうなってしまったら要注意です。
私自身恥ずかしい話ですが、転職直前、担当したクラスの生徒の名前を覚えることができませんでした。ただ、教科書の内容を伝達するだけ。就職時に抱いていたやりがいなんて微塵もありませんでした。
3.価値観が広がる
転職をすることで多くの同僚や上司、生徒と出会うことができます。すると価値観が広がり、多面的に物事を見ることができるようになります。
ずっと同じ場所に固定しているのは危険です。そうなってしまった教員の行く末はどうなるか、
生徒に対しても固定的な価値観で接するようになります。
「この生徒はこういう生徒だからこうするべき」
こんな指導をし始める教員がいる職場は要注意です。
先にも申し上げましたが、人間は変化することが自然です。指導に絶対なんてそもそも無いはずです。環境が固定していくと、そんな当たり前のことにも気づかなくなってしまい、自分の価値観を押し付けるようになります。
また、転職をすることの副産物として、転校したいという生徒の価値観に寄り添った指導もできるようになります。
さぁ、転職だ ~あと一歩を踏み出す勇気~
ということで、転職をすべきということがおわかりいただけたかと思います。
しかしなかなか勇気が出ない。という場合が多いのでは無いでしょうか。
ここでは、あなたの背中を押す「考え方のコツ」についてお伝えしたいと思います。
- 心の声に正直に
- 哲学を持つ
- 魔法の合言葉
- それでも駄目な場合もある
1.心の声に正直に
今あなたは悩んでいます。しかし、この悩みを抱えたまま、職場で自分の力を発揮できるでしょうか。
あなたの職場のことはあなたが一番良くわかっています。ヤバそうだなと思う職場はだいたいヤバいです。心の声に正直になってください。
私の知っている先生の職場は、教員が自分ルールで好き勝手にやっており、締め切った空間で隠蔽体質。ハラスメントや服務事故の温床になっていて「これはヤバい!」とすぐに辞めてしまったそうです。今は幸せそうです。
転職というと「逃げ」とか「ダサい」という考え方を持つ人もいますが、今や根性論でどうにかなるような時代ではありません。
私から言わせると、自分の心の声から「逃げ」、違和感や矛盾を抱えながら生徒を導く「ダサい」教員です。
2.哲学を持つ
といっても、少しでも不満があったらすぐに投げ出してしまうことはおすすめしません。まだ今の職場で学べることがあるかもしれません。
しかし、あなたの教育の哲学が揺るがされそうなときには考え直したほうが良いかもしれません。教育の哲学というと難しいですが、言い換えるなら、譲れない一線です。
これはまた機会があればお話したいですが、なぜ”あなたが”教育をするのか。もっと大きな話をすると、あなたの人生はなんのためにあるのか。今一度考えてみてほしいと思います。
それが達成できそうになければさっさと転職しましょう。
3.魔法の合言葉
それでもまだ決め手にかける。そんなときはこの言葉を唱えてみてください。
「この職場で学べることは全て履修済み」
そうです。もう全クリなんですよ。このゲームは。おめでとうございます!
これ以上は何も得るものはありませんし、同じことを繰り返すだけの明日が始まるだけです。速やかに次のゲームに移りましょう。
4.それでも駄目な場合もある
そうはいっても転職に踏み切れない理由もあると思います。
それは人間関係。せっかく出会った同僚や生徒たちと離れてしまうと考えるかもしれません。人間を相手にする職業。転職に踏み切れない方は、「人のために」と優しい心をもった方なのだと思います。
考え方を変えてみてください。
まずは生徒について。少なくとも今日まで必死に耐えてきたあなたには、素晴らしい力があります。あなたの力を待っている生徒たちが日本中に大勢います。自信をもって他の職場に移って見てください。
次に同僚について。今の職場で出会った良い先生とは今後も普通に会えます。これで二度と会えなくなるわけではありません。良い関係は今後も容易に継続することができます。私自身、転職を相談したときに周りの理解ある先生方は「そのほうが良い」「むしろ良かった」と励ましてくれました。今でもその先生方とはよくお会いします。
良い出会いは財産となって残ります。自己破産とは違います。マイナスは消えてプラスだけ残る素晴らしいシステムだとは思いませんか。
それでもやっぱり転職ができないのであれば
それでも転職ができない場合もあります。ここで思い出してほしいことはゴールは転職ではなく、仕事に満足してやりがいをもって取り組むことだったはずです。
仕事に疑問を抱えている今、ささいなことでも心にひっかかりができてしまいます。
転職の目的は、”少し立ち位置を変えて世界を見ることで自身の価値観を更新すること”にあります。
具体的な解決策は研修に行くことです。
研修に行くと、他の学校の先生と交流することができます。締め切った部屋の窓を開けて空気の入れ替えをしてみましょう。きっと新たな気づきや発見があるはずです。
最後に
今の職場に満足いっていないということは、まだあなたに伸びしろがあるということです。あなたの人生はこれからどんどん良くなっていくことを断言します。
今日、将来に不安を覚える子どもたちが少なくありません。大人になりたくないという声もよく聞きます。先生である私達自身が充実して働き、「人生たのし~い!!」と心から言えるような環境が最も良い教育現場なのではないでしょうか。